あなたの大切な子どもが野球をする中で、どんな指導者に教わるべきだと思いますか?
「実績のある指導者に教わりたい」と考える親御さんは少なくないでしょう。しかし、この「実績」とは何を意味するのでしょうか。指導者の選び方次第で、子どもの野球人生、そしてその先の人生が大きく変わることもあります。
実績とは何か?その本当の意味
「実績」という言葉を聞くと、多くの人は甲子園での優勝や全国大会での好成績といった「大きな大会での勝利」をイメージするかもしれません。それらは一目でわかりやすい成果であり、確かに素晴らしいものです。しかし、そうした目に見える結果ばかりに目が向き、子どもたちの成長を軽視してしまうのは、少し違うのではないでしょうか。
指導者の「実績」とは、単に大きな大会での勝利を指すのではなく、その過程で選手たちが得る経験や成長を含めて考えるべきだと思います。たとえ大会で勝てなくても、次のステージで活躍するための力を選手に与えたり、「あのときの努力が今の自分を作った」と思える経験を提供することも、大切な実績の一部だと私は考えています。
満足感とは何か?勝利だけではない価値
「試合で勝てなくても満足感を得られる指導」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?
たとえば、選手たちが「自分は全力を出し切った」「チーム一丸となって戦えた」と思える経験。あるいは、技術面だけでなく、野球を通じて得た礼儀や協調性、挨拶の大切さといった成長を実感できること。これらは、勝利という結果が伴わなくても選手自身の人生を豊かにしてくれる満足感ではないでしょうか。
また、結果としてチームが勝てなくても、練習で学んだことが次の試合やステージで活かされ、「努力してよかった」と思える実感。これこそが良い指導者が提供できる「満足感」だと思います。単なる勝利至上主義ではなく、選手が未来に向けて価値を感じられる指導が重要なのです。
SNSで見かける指導法への懸念
最近、SNSでは指導者が独自の練習法や理論を発信しているのをよく見かけます。その中には優れた内容もありますが、注意したいのは「できる子が普通に伸びているだけなのでは?」と思う場面です。黙っていても小学生年代では身体的な成長や個々の素質によって上達することが多々あります。(というか、それが当たり前です。)それを、あたかも指導のおかげとするのは、正しい評価とは言えないかもしれません。
最新の理論を取り入れることが効果的なのは確かですが、それだけで選手の可能性を最大化できるとは限りません。指導者が選手一人ひとりの特性を見極め、その成長を無理なく導くことが重要なのです。
勝利と成長を両立させる指導者とは
良い指導者は、選手の成長を第一に考えながらも、チームとして目指す「勝利」を追求します。大きな大会での優勝がその象徴となることもありますが、それだけが指導の成功を示すものではありません。
以下のような指導者こそ、子どもたちの未来を預けるにふさわしいのではないでしょうか:
・選手が全力を尽くせる環境を整える。
・チームで協力し、共通の目標に向かう喜びを教える。
・試合や練習を通じて、技術だけでなく心の成長を促す。
・子どもの未来を託せる指導者を見極めるために
親としてできることは、子どもにとって適切な指導者を見つけることです。そのためには、以下のポイントを意識しましょう:
・「実績」の本質を見極める。
勝利だけでなく、選手の成長や次のステージでの活躍を含めて評価すること。
・理論と実践のバランスを見る。
理論だけでなく、現場での実績と具体的な結果を確認する。
・選手個々の特性に応じた指導をしているかを見る。
子ども一人ひとりに合わせた指導ができているかどうかを見極める。
子どもの成長には、適切な指導環境が欠かせません。そして、それを提供できる指導者を選ぶことは、親にとって大切な役割です。「勝利」や「実績」の言葉に惑わされず、子どもの未来を考えた指導者を選んでほしいと心から願っています。
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