高校野球における冬場の重要性
高校野球において、冬場の過ごし方がチームの成長や成績にどれだけ大きな影響を与えるか、私自身の経験から強く実感しています。現役時代の先輩、後輩、また指導者として選手を育成する中で、冬場のトレーニングが持つ意義を深く感じました。その体験をもとに、冬場の過ごし方についてすこし述べてみたいと思います。
甲子園出場校での冬場の経験
私の現役時代、二つ上の先輩、一つ上の先輩ともに夏の甲子園に出場を果たしました。先輩方は有力と言われた秋の大会で悔しい敗戦を経験し、その悔しさをバネに冬場にしっかりと効果的なトレーニングを積み上げました。その結果、春には目覚ましい成長を遂げ、夏の大会で甲子園に出場するという成果を挙げることができました。
このように、冬場に充実したトレーニングを行うことが、春や夏の大会での成果に直結することを実感しました。
私が指導者として携わったチームでは、無名校から県大会8強に進出するという成果を挙げることができましたが、それもまた冬場の基礎トレーニングを徹底した結果だと考えています。
下半身強化と走り込みの重要性
冬場のトレーニングといえば、かつては”走り込み”が中心でした。現在では、単純に長距離走を課すだけのトレーニングを行う学校は減ってきたと思います。しかし、その反面、下半身強化そのものが軽視されているようにも感じます。
現代では筋力トレーニングや動作解析が進化していますが、それに伴い、必要な下半身強化がしっかりと行われていないチームも少なくないように感じます。筋トレは確かに重要ですが、例えば短距離のダッシュや敏捷性を高めるためのトレーニングが不足しているチームも多いのではないでしょうか。特に冬場は試合が少ないため基礎体力を向上させる絶好の機会です。この時期に鍛えた足腰が春以降のプレーに大きな影響を与えるのは間違いないのではないでしょうか。
冬場の取り組みが足りない例
教員として学校現場にいたときは、野球部の指導に携わりませんでした。(理由は気が向いたら書こうかなとおもいます)そこで感じたのは、トレーニング内容が日々の思いつきで進められているケースが少なくないということです。その結果、短距離ダッシュなどの重要なトレーニングが抜け落ち、春になっても選手たちの体つきに変化が見られませんでした。案の定、春の大会、夏の大会とも勝つことができない状況に陥っていました。
また、SNSを通じて情報を得ることが容易になった現代では、小手先のテクニックに走りがちな傾向を感じます。例えば、派手なトレーニング方法や一見効果的に見える特殊な練習法がもてはやされ、地道な基礎トレーニングが軽視されているように思えます。しかし、基礎体力や下半身の強化がなければ、いくら技術を磨いても試合で勝ち抜くことは難しいのです。
指導者への提言
高校野球や中学野球の指導者の皆さんには、ぜひ冬場の過ごし方について改めて考えていただきたいと感じます。冬は試合がないからこそ、選手個々の成長やチーム力の向上に集中できる期間です。この時期をどう過ごすかが、春や夏の大会の結果を大きく左右します。
まずは、トレーニングメニューの計画性を高めることが必要です。どの筋肉を鍛えるべきか、どのような動きを向上させたいのかを明確にし、目的意識を持ってトレーニングを行うべきです。また、基礎体力の向上を最優先にしつつ、短距離ダッシュや瞬発力を高めるトレーニングを取り入れること大切だと思います。
さらに、選手一人ひとりの成長を見守り、適切なフィードバックを行うことも重要です。
トレーニングの成果を確認し、選手たちにその重要性を理解させることは、モチベーションの維持、あるいは向上にも繋がります。
まとめ
冬場の過ごし方は、高校野球や中学野球において非常に重要です。現役時代の先輩、後輩、また指導者として選手を育成する中で、冬の基礎トレーニングがチームの成績に与える影響を強く感じています。
地道な基礎トレーニングを怠らず、下半身の強化や短距離ダッシュなどの実践的な練習を取り入れることで、選手たちは春から夏にかけて大きな成長を遂げることができます。指導者の方々には、ぜひ冬場のトレーニングの重要性を再認識し、選手たちの未来をより明るいものにするための指導をしていただけたらと思います。
この冬をどう過ごすかが、春や夏の勝敗を決めると言っても過言ではありません。選手と指導者が一丸となって、実りのある冬を過ごしてください。
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